なぜMVP2度のハーパーはブチ切れた?いまさら聞けない「選手会vsMLB機構」の内情
7月下旬にコミッショナーのロブ・マンフレッドがフィリーズのクラブハウスを訪問し、選手たちと非公開の懇談を行った。
その際、MVP2度の主砲、ブライス・ハーパーがマンフレッドに対して「部屋から出て行け」と言うと、マンフレッドは「出てゆかない」と応じたというのである。
問題の懇談会は2022年からマンフレッドが始めた取り組みである。これは、労使交渉のもつれからロックアウトが起きたことを受け、定期的に全30球団の選手との対話を行い、相互の理解を深めることを目的とする。
現行の労使協定は2026年12月1日に失効する。そのため、労使双方が日頃から意思の疎通を円滑にしていれば、交渉決裂の可能性は低くなるというのが機構側の主張である。
だが、コロナ禍での開催となった2020年のシーズンでは、試合数の削減と年俸の支払額を巡って労使が対立しており、最近でもマンフレッドが公式戦の海外での開催の強化とレギュラーシーズンの試合数の見直しに言及している。
選手会側はいずれも、まず年俸の水準を引き下げ、次にサラリーキャップ制を導入するための布石とみなし、反発してきた。