「最後の命を燃やしてるみたい」海中カメラマンの話に植物の“終わり”を思う。花が教えてくれた“命”の使い方

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コクハク

海中カメラマンに聞いた「イソギンチャク」の話

【笑う花には福来たる】

 「やっぱり生態系が崩れていると実感する」

 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に、沖縄の友人が数年振りに遊びにやってきました。

 北海道生まれの友人Tさんは、関東で歯科医として活躍していたのに、「俺、沖縄でスキューバダイビングのインストラクターになる!」と突然宣言。

「歯医者はバイトでよくね?」という衝撃発言と共に、あっという間に沖縄に移住。北海道生まれだというのに見事に日焼けし、すっかり「沖縄人」として生まれ変わりました。

 沖縄に完全に住み着いたTさんが海に潜る目的の一つは、海中に住む美しく小さな生き物の姿を写すこと。プロの「海中カメラマン」の顔もあります。

 そんな彼が何度も写真に残してきたのが「死に際のイソギンチャクの輝き」。今回はそんな超自由人Tさんの話から感じたテーマ「終わりゆく花で運を育てる」の解説でございます。

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地球温暖化に耐えられない海の生き物

 Tさんが沖縄の海で出会う小さな生き物たちは珊瑚やイソギンチャク、海藻などと共生しています。

 被写体を探すには共生している植物や移動しない生き物の生態を知ることがマスト。そうすると出会うチャンスが巡ってくる、とのこと。

 ところが近年の地球温暖化が海中生物の生態を崩してしまいました。海中温度の上昇によって耐えられない生き物も多く、そんな中でたくさんの珊瑚やイソギンチャクが死んでいく様も目の当たりにしたそう…。

 特に死ぬ前に蛍光色に光るイソギンチャクは「不謹慎だけどすごくキレイなんだよね。まるで最後の命を燃やしてるみたいだよ」とTさんは語ります。

花屋は植物の「終わり」を日々感じている

 そんな話を聞きながらふと思い出したのがワタクシも何度もみてきた植物の「命の終わり」の使い方です。 

 例えば嵐で倒木した巨木桜や、害虫に根を食い散らかされた花木たちの最後の「狂い咲き」を何度も見て参りました。不謹慎ではありますが本当に見事です。

 普段から扱っているお花も同じことが言えます。

 花が咲く理由は、受粉し未来を作る希望の種子を作る媒体になってくれる虫を呼び込むため。受粉が終わり命のバトンが繋がれば、役目を終えた花弁はやがて散っていくことが自然のサイクルでございます。

 そんな植物たちに耳を傾け、花を活けることで命を浄化させるのが生業のお花屋は、植物の「終わり」の強いエネルギーを日々感じているのです。

「命のエネルギー」の使い方

 風水や花風水の考えでは、「始まり」だけでなく「終わり」にも強いエネルギーが宿るとされます。

 そう思うと花の終わりが近づいた時期は、まさに“気の転換点”。運の芽が動き出す瞬間なのかもしれませんな。

 ならば植物の最後の最後まで、アナタ自身でもできるその「運」を生かして育ててみては? そのアクションで、動き出す新たな「ラッキー」の種子を受けとれるかもしれません。

 たとえば、まだ色の残るカーネーションやガーベラを短く切って、小さなグラスに移したり、花首だけなら水を溜めたお皿に浮かべたり…。

 折れた茎のアイビーやミントを水に挿して、根が出るのを待って水耕栽培。あるいはバラやハーブをドライにして、ポプリやサシェにして香りを楽しなどなど…。

 こうした行為は、単なる再利用ではなく、“今ある運を最後まで活かす”行動そのもの。

「枯れそう!」と手放すのは簡単ですが、「もうひと咲き」を試みると、運もまた再び息を吹き返し、枯れかけの花が内に秘めている“未来の運”をも呼び込んでくれるかもしれません。

 何より「こんな風にも飾れるんだ!」という驚きだけでも、なんだか得した気分で幸せになっちゃいますの。

人間の運気もまた同じ

 ある役割を終えたり、何かを失ったように見える時期こそ、実は次に芽吹くための栄養を心の奥で蓄えている時期なのかもしれません。

 そういえばお花屋にやってくるお寺の住職は皆様こう語ります。

「悪いこともいいことも人生色々あるけど、『終わり』は次の『始まり』だからね。悪いことはいつまでも続かない。幸せの助走が長いほど、きっととびきりのいいことがやってくるから頑張って」

花が教えてくれること

 花が教えてくれるのは、終わりもまた次の始まりであるということ。

 枯れゆく花の最後の輝くエネルギーを生かして、次の新しい運を掴んでくだいませ。

 お話戻って…前述の北海道出身の「沖縄人」Tさん。

 終わりに近づいたイソギンチャクたちの姿を、彼なりの素晴らしい形で繋いでいる彼は、見事に強いエネルギーを受け取って、信じられないくらいの大出世を遂げております。つかんじゃうのねー!こういう方は!

 今日もあなたのもとに、新しい芽吹きの運が訪れますことを…遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。

(斑目茂美/開運花師)

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