患者にフィットした「車いす」が回復のために重要なのはなぜか
理学療法士(PT)は、麻痺などがあって車いすを必要とする患者さんの「座る」「立つ」「歩く」といった能力の回復をサポートする役割を担っています。そのための身体機能の評価をはじめ、車いすの調整や使用方法の指導も行います。
日常生活でも車いすが必要な患者さんの場合は、退院時にひとりひとりオーダーメードで作製したものを購入しますが、入院している期間は、病院に備えてあるモジュラー型の車いすを貸し出す形になります。
モジュラー型というのは、個々の患者さんに応じてパーツの組み替えができて、車輪やシートの位置の調整ができるフレームをベースとした車いすを言います。
ほかに、車いすには座っていられず姿勢が崩れてしまうような意識障害がある重症患者さんには、背板を倒せる座位変換型=リクライニング型の車いすがあります。
そうしたこれらの車いすは、その患者さんに合ったフィッティングが重要です。患者さんの体格はひとりひとり違いますから、車いすの座幅、座面の奥行き、座面の高さ、バックサポートやアームサポートの高さなどを最適に調整することが、回復や生活に大きく関わってくるのです。