「テクノ専制とコモンへの道」李舜志著
「テクノ専制とコモンへの道」李舜志著
インターネットとデジタル・テクノロジーによって世界は、支配する側とされる側に分かれつつある。
支配する側は、AIによる大失業が到来するという恐怖をあおり、人間はより無価値な存在となり経済的主体性を失っていくと予測。その救済策として必要なお金を無条件で給付するユニバーサル・ベーシックインカムを提唱し、自らその救世主に名乗り出る。
著者はそうした議論に反論。
人間の価値は、他者と分かち合うことで高められ、他者と協働することによって真価を発揮する。そう主張する、台湾の元大臣オードリー・タン氏と経済学者のグレン・ワイル氏による未来社会構想プロジェクト「Plurality」の要旨を解説しながら、多元的な未来社会について考察した提言書。 (集英社 1188円)