著者のコラム一覧
権藤博野球評論家

1938年12月2日、佐賀県鳥栖市生まれ。鳥栖高からブリヂストンタイヤを経て61年に中日入り。1年目に35勝19敗、防御率1.70という驚異的な成績を挙げ、最多勝や沢村賞などタイトルを総ナメに。連投に連投を重ねる姿に「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語が生まれた。68年に現役引退後は各球団の投手コーチを歴任。横浜で初の監督に就任した98年にはいきなりペナントを制し、38年ぶりの日本一に導いた。

ドジャース佐々木朗希は7月まで先発ローテを守れれば万々歳だと思う理由

公開日: 更新日:
佐々木朗希(C)ロイター/USA TODAY Sports

 ドジャースの佐々木朗希(23)がメジャー昇格と日本で行われるカブスとの開幕第2戦の先発を勝ち取った。

 来日前の最後の登板となった日本時間12日のガーディアンズ戦は4回を1安打無失点。オープン戦2試合で計7イニングを無失点と結果を出したわけだから、開幕ローテ入りに異論はない。

 ただ、気になることがある。12日の試合は計41球を投げて、ストレートが27球、スプリットつまりフォークが11球、スライダーが3球という内訳だった。オープン戦初登板となった5日のレッズ戦も変化球で最も割合が多かったのはフォークで、5三振のうち4三振をそれで奪っている。

 ロッテ時代の佐々木のデータを見てみたら、2022年に投球の34%を占めていたフォークの割合が年々減少し、24年にはフォークが27%、22年時点で5%だったスライダーが26%と比率が上がっていた。160キロの真っすぐとフォークの2本柱では肩・肘への負担も少なくないから、スライダーを交ぜるのはいい傾向と思っていたのだが、米国に行って、案の定、という感じだ。

 大谷翔平も田中将大も日本ではスライダーが威力を発揮していたのに、メジャーに行ってフォークを多投するようになった。マー君などは、ヤンキースでフォークの割合がストレートを上回ることもあった。

 理由は簡単で、メジャーではフォークが日本以上に効果を発揮するからだ。リーチの長い向こうの打者は、横の変化球にはバットが届く。ちょっと甘く入ると長打になる可能性が高いため、スライダーを投げることに怖さも持ってしまう。メジャーでは、日本ほどフォークの使い手が多くないこともあって、いよいよこの落ちる球に頼ってしまうのだ。

 160キロのストレートを持ち、身長192センチと角度がある佐々木が今の時期にフォークを投げれば、向こうの打者には効く。クルクルとバットが回るから、捕手の配球も偏る。この2球種だけで当面は結果を出すのは間違いないが、心配なのは 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り254文字/全文1,094文字)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層