米国留学中に大事件!俺と荒川哲男のロッカーは鍵が壊され中身を丸ごと盗まれた
試合後、球場内で提供される昼食のサンドイッチを食べ、午後2~3時に終了。そこから選手個人で自主練習をするのがルーティンだった。
ルーキーリーグでは、自分が所属するチームと対戦相手のチームが同じロッカールームを使う。この列のロッカーはドジャース、隣の列はパイレーツ、その隣はレッズ……とチームごとにロッカーの場所が決まっていた。複数のチームが同じロッカーを使っていたから、部屋そのものがめちゃくちゃ広かった。しかし、たくさんのチームが同じロッカーに出入りしていたこともあってか、「事件」が起きた。
俺と荒川が所属したリーグは、フロリダのセントピーターズバーグにある球場を拠点にしていた。そこでの生活が2カ月ほど経ち、同じフロリダにあるサラソタの球場に移動することに。セントピーターズバーグでの最終日、荷物を運び出そうと、ロッカーに行くと、カギが破壊され、入れておいたバットやグラブがすべて盗まれていたのだ。
しかも荒らされたのは俺と荒川だけ。というか、ロッカーに堂々と荷物を置きっぱなしにしているのは日本の選手だけだった。他の海外の選手たちは俺らみたいに何十本もバットを持ってきていなかったし、道具は毎回大切に家へ持ち帰っていた。
日本製のバットやグラブは性能がいいことも知っていたのだろうが、道具がなきゃ練習すらできない。日本から送ってもらうのも時間がかかるため、慌てて近くのスポーツ用品店でグラブを買ったり、球場に出入りしていた道具業者から手袋やリストバンドを買ったりして急場をしのいだ。