プロ野球とMLB、「トレードデッドライン」に大きな温度差がある理由
背景には選手層の厚さがあります。最多のソフトバンクでも、現時点で支配下66人、育成51人の計117人。MLB球団はメジャー契約40人、マイナー契約210人前後。ドミニカ共和国のアカデミーまで含めると300人を超えます。長く保有できる有望株が、事実上の通貨になります。
この発想を、単年の売却から複数年の再建に広げたものが、通称タンキングです。代表例が18年以降のオリオールズ。マニー・マチャドら看板選手を放出し、開幕時の年俸総額を17年の約1億6400万ドルから19年の約7300万ドルへ、2年で半分以下に削減しました。19年に108敗、21年に110敗を喫する一方、ドラフトと育成に資源を集中し、23年には101勝。数年間の低迷を織り込んで、将来の勝利を買う戦略です。日本では、ファンが許さないでしょう。このあたりは国民性の違いもあるのかもしれません。
今季は球宴時点で、30球団中23球団がプレーオフ圏から4ゲーム以内。1週間の連勝で買い手に、連敗で売り手になり得ます。判断が遅れるため、最後に注文が殺到する。さらに19年から8月のウエーバー経由のトレードがなくなり、40人枠の選手を動かす出口は一本になりました。


















