「ライアーズ・ポーカー」マイケル・ルイス著、東江一紀訳
<型破りなトレーダーたちの生態>
映画にもなった「マネー・ボール」の著者が、「債券取引の帝王」と呼ばれる投資銀行ソロモン・ブラザーズ勤務時代の体験をつづった金融ノンフィクション。
85年、氏はウォール街の中でも一番の収益を挙げていた同社に入社。その入社にいたる経緯から、新入社員研修、そして日々戦場のようなドラマが繰り広げられるトレーディングフロアで見聞きしたことを軽快につづっていく。生え抜きトレーダーのルーウィー・ラニエーリが生み出したモーゲージ債(後のサブプライム問題の元凶)が債券取引の世界をマネーゲームに変えていくさまをはじめ、型破りなトレーダーたちの生態とその仕事ぶりを鮮やかに描く。(早川書房 940円)