帯状疱疹ワクチンで認知症リスク2割減 ネイチャー誌に発表された意外な研究結果に大きな反響
帯状疱疹のワクチンを接種した人は、認知症になる確率が2割下がることがわかりました。一見関係なさそうな2つの病気の意外な関わりに、大きな驚きと共に希望が広がっています。
まず帯状疱疹は、水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。加齢により免疫力が低下するとウイルスが再活性化し、熱やヒリヒリした痛みを伴う水疱、しびれなどの症状を伴う帯状疱疹を引き起こします。場合によっては神経の痛みが慢性化し、障害が残ることもあります。
アメリカでも日本でも、約3人に1人が帯状疱疹を発症すると推定されています。またアメリカでは既に、60歳以上の約3割がワクチンを接種。日本でも今年4月から、65歳以上に対するワクチンの定期接種が始まっています。
4月2日付の『ネイチャー』誌に発表された今回の研究は、スタンフォード大学が主導したものです。ウェールズの高齢者の健康記録を分析したところ、帯状疱疹ワクチンを接種した人は、しなかった人に比べ、その後の7年間に認知症になる可能性が20%も低いことがわかりました。