「股旅探偵 上州呪い村」幡大介著
■本格ミステリー+股旅小説
渡世人の三次郎は、通りかかった上州倉賀野宿で殺人事件の詮議に遭遇する。御用米を江戸に回漕する「御蔵開け」で宿場がごった返す中、宿場の肝いりの清左衛門の刺殺体が掘割から流れてきたという。
発見したのは御用米の回漕を監視するため江戸からきていた幕府の役人・大里だった。大里は、掘割の上流にある流れ宿に滞在する病人の付き添い、長吉を下手人として引っ立てる。詮議に口をはさんだ三次郎の謎解きで容疑が晴れた長吉は、主の善七郎を村に連れ戻すため、助けを呼びに行く。しかし、善七郎はすぐに息絶えてしまう。善七郎の言葉が気になった三次郎は、彼の生国、火嘗村に向かう。
江戸を舞台にした本格ミステリー+股旅小説。
(講談社 770円)