「親子で読むケータイ依存脱出法」磯村毅著

公開日: 更新日:

 昨年から文部科学省がホームページでまで警告しているのが子どもたちのケータイやスマホへの依存。SNSやゲームにハマるだけでなく、LINEを使ったイジメ問題も浮上。リアルな教室内だけでなくバーチャル空間まで駆使してまさに逃げ場のないイジメが蔓延しつつあるのだ。

 本書は名古屋の呼吸器内科医で「依存心理学」の専門家だという著者による親子でのケータイ依存の対策マニュアルである。7歳から18歳まで著者自身が実際にやりとりした子どもたちとの対話を採録しながら、そこに含まれる問題点を細かく指摘する。

 特に「なぜケータイを使ってはいけない時間帯を決めるの?」とか「依存症はどんなにこわい?」といった子どもならではの素朴な疑問や反論にていねいに答えているのがいい。なるほどこう辛抱強く説明するのかと目からウロコの思いをする読者も多いだろう。我が子がLINEイジメの加害者になっているケースもあり、親たちも知らなかったではすまされない。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1400円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘