「間違いだらけの病院選び」小林修三著
いい病院選びの目安とされる病院ランキング本。しかし、病院の実力を測る指標としては、あまり役に立たないと本書。
例えば、「手術件数で選ぶ」という冠が付いた本は多く、胃がんや大腸がんなら年間70~80件、前立腺がんなら年間50件以上執刀していれば医療技術が維持できる目安とされる。しかし、何人もの医師がいる大病院は、全体での件数が多くても1人の医師の執刀件数は少ないケースもある。
また、件数は多くても結果が伴わなければ意味がない。先日、腹腔鏡手術による死亡事故が相次いだ群馬大学病院では、県内で肝臓がん手術が多い病院のトップにランキングされていたのだ。
救急を断らない、倫理委員会があるなど、いい病院選びのヒントも紹介していく。(PHP研究所 800円+税)