「あしたは戦争 巨匠たちの想像力[戦時体制]」小松左京ほか著、日本SF作家クラブ企画協力

公開日: 更新日:

「戦時体制」を描く巨匠10人のアンソロジー

 小野は、同じ団地に住む会社の後輩・武井から一通の封書を見せられる。数日前に届いたというそれは召集令状だった。翌朝、武井は無断欠勤。不審を抱く小野は他の若手社員にも武井と同じ召集令状が届いていることを知る。

 やがて、召集令状は社内だけでなく、全国の若者に届き、受け取った者たちが続々と失踪していることが明らかになる。広がる召集令状と若者の失踪に、人々はこの世界のどこか裏側で目に見えない戦争が起こっていることを確信する。さらに、息子を奪われた家族の元に戦死公報まで舞い込み始める。(小松左京著「召集令状」)

 ほか、手塚治虫や江戸川乱歩など。戦争体験世代の巨匠10人の戦争をテーマにした作品を編んだアンソロジー。(筑摩書房 1000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?