「古書泥棒という職業の男たち」トラヴィス・マクデード著、矢沢聖子訳

公開日: 更新日:

 マンハッタンの書店街「ブック・ロウ」で20世紀初頭に起きた盗本事件をテーマにした犯罪ノンフィクション。

 1926年ごろから約5年間、「ブック・ロウの窃盗団」が暗躍。驚くべきことに窃盗団のリーダーは、古書店主たちで、彼らの本の入手先は公共の図書館だったという。彼らは店の客らを「書籍発掘要員(ブック・スカウト)」に仕立て、稀覯本のリストと共に、それが図書館のどの書架に行けば見つかり、どのようにして手に入れるかを指示。

 1829年にわずか250部だけ刷られたエドガー・アラン・ポーの無名時代の詩集を巡る窃盗団とニューヨーク公共図書館の特別捜査員の攻防を軸に描かれ、ミステリーさながらの読み応えだ。(原書房 2500円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ