「分断社会を終わらせる」井手英策、古市将人、宮﨑雅人著

公開日: 更新日:

 財政問題から、分断された日本社会の閉塞状況を分析し、打開策を提示するリポート。

 政府は景気対策のために多額の借金を財源に組み込み、都市中間層向けの所得減税と地方向けの公共投資を続ける代わりに、社会保障や教育は個人と市場にゆだねてきた。日本人の労働への義務意識が染み込んだこの「勤労国家レジーム」はかつて成長を支える好循環を生み出したが、今は負のフィードバックへと変質し、私たちの生きづらさや不安を増殖しているという。

 この負の遺産によって社会が陥っている「三つの罠」を解説。この罠から抜け出すために、人間の生存・生活に関わる基礎的ニーズを財政が満たす「必要原理」に基づいた財政戦略を提唱する。(筑摩書房 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?