「乳房に蚊」足立紳著

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 売れないシナリオライターの柳田は、家計を支える妻のチカに頭が上がらない。結婚して10年、愛情はほとんど残っていないが、セックスの相手はチカしかいない。しかし、チカをその気にさせるのは難しく、強引に持ち込もうとすると裏拳が飛んでくる。

 そんなある日、以前に出した企画書が動きだし、プロデューサーからシナリオ化を打診される。うどんを早打ちする実在の女子高生を主人公にした企画のため、柳田は自腹で四国に取材に行くことに。家族旅行をかねて、チカと娘と高松にたどり着いた柳田だが、くだんの女子高生の映画化がすでに進んでいることが分かり、唖然となる。

 倦怠期の夫婦を主人公にした面白くも切ない現代版「夫婦善哉」。(幻冬舎 1300円+税)


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