「他流試合-俳句入門真剣勝負!」金子兜太+いとうせいこう著
俳句界の巨人に作家が斬り込む対談集。
2人はともに今やすっかり世間に定着した「伊藤園新俳句大賞」の審査員でもある。まずは、その第1回大賞作「白菜がまじめに笑って立春です」を取り上げ、新俳句の新しさとはどういうところにあるのかを徹底的に語り合う。金子氏は、白菜という冬の季語に立春を組み合わせた題材の配合、そして「まじめに笑って」と「中七」で詠む題材のとらえ方の独特さがこの句の魅力だと解説。続いて、「白菜」に続く助詞「が」をテーマに、俳句の定石である切れ字「や」や、「の」と入れ替えるとどうなるかなど。受賞作を次々と俎上に載せながら、俳句の技と、日本語の奥深さを語り尽くす。
(講談社 890円+税)