「ぼくの宝物絵本」穂村弘著

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 酒やギャンブルに代わって、歌人の著者のストレス解消や心の癒やしは、絵本やきれいな絵ハガキなどの紙モノを見たり買ったりすることだという。

 初めて絵本を意識したのは、会社員になってすぐのころ。仕事の休憩時間に立ち寄る古本屋で手にした雑誌の武井武雄の特集号だった。紹介された氏の絵本の一部を見て、そこに「天国」を感じた著者は、これは子供のための本ではなく「僕のための本だ」と思ったという。以来、氏の本の収集が続いているという。

 ほかにも作中に挿入された「神の視点」が、異様なトリップ感を与えてくれるという「ありこのおつかい」(いしいももこ作・なかがわそうや絵)など、古今の名作をオールカラーで紹介しながらつづられる絵本エッセー。(河出書房新社 740円+税)

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