「『Jポップ』は死んだ」烏賀陽弘道著
日本のオーディオレコード市場は、1998年の6075億円をピークに減り続け、昨年は3分の1以下の1777億円にまで縮小。数字だけを見ると衰退したかに見える日本のポピュラー音楽だが、むしろ「音楽も演奏空間も人材も」最盛期よりもより多様で豊かになっていると著者は言う。自らもミュージシャンでもあるジャーナリストが、ここ20年の日本の音楽業界の劇的な産業構造の変化を伝えるリポート。
インターネットが音楽産業に果たした役割を分析するとともに、ポストCD時代にインターネット経由以外で日本人がポピュラー音楽に触れる意外な「音楽メディア」の存在を紹介するなど、徹底した現場取材で日本の音楽産業の「今」に迫る。
(扶桑社 800円+税)