ジュンコの名は小鳥のダーク・アイド・ジュンコからつけられた。子どもたちを完璧なアメリカ人として育てようとした日系2世の母は、ジュンコの名を漢字にしなかったが、ジュンコは空港で日本へも行ける大型飛行機を見ていると、熱い思いが沸いてきた。祖父の大原幹三郎は、アジア人労働者を募集する「アメリカは君たちを求めている!」という求人広告に引かれて1904年にアメリカにやってきた。祖母の佳乃は12年後に「写真花嫁」として幹三郎に嫁いだ。鉄道工事の仕事から農園の労働者となり、幹三郎は人生を切り開いてきたのだ。
日系人差別と闘いながら生きてきた家族の100年にわたる物語。
(ポプラ社 1700円+税)