「短編伝説 愛を語れば」集英社文庫編集部編 嵐山光三郎ほか著

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 徹夜で仕事を終えた作家の「わたし」は、取材旅行のためウィーン行きの飛行機に飛び乗る。2週間前に喧嘩別れしたままの恋人と仲直りしてから出国するつもりだったが、果たせなかった。離陸直後、話しかけてきた隣席の男は、古書の仕入れにウィーンに向かうという。飛行機で気持ちよく眠れたことがないというわたしに、男は15年ほど前、初めてウィーンに向かう機内で知り合った老婆のことを話しだす。老婆は30年文通していた日本人ペンフレンドの墓参りの帰りだったという。(小川洋子著「飛行機で眠るのは難しい」)

 そのほか、吉行淳之介から江國香織まで、多彩な執筆陣がさまざまな愛を描いた作品を集めたアンソロジー19編。

(集英社 780円+税)

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