「短編伝説 愛を語れば」集英社文庫編集部編 嵐山光三郎ほか著

公開日: 更新日:

 徹夜で仕事を終えた作家の「わたし」は、取材旅行のためウィーン行きの飛行機に飛び乗る。2週間前に喧嘩別れしたままの恋人と仲直りしてから出国するつもりだったが、果たせなかった。離陸直後、話しかけてきた隣席の男は、古書の仕入れにウィーンに向かうという。飛行機で気持ちよく眠れたことがないというわたしに、男は15年ほど前、初めてウィーンに向かう機内で知り合った老婆のことを話しだす。老婆は30年文通していた日本人ペンフレンドの墓参りの帰りだったという。(小川洋子著「飛行機で眠るのは難しい」)

 そのほか、吉行淳之介から江國香織まで、多彩な執筆陣がさまざまな愛を描いた作品を集めたアンソロジー19編。

(集英社 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗