「京都ぎらい 官能篇」井上章一著

公開日: 更新日:

 今でこそ、京都は気品と風格あふれる古都として認知されているが、明治・大正期の雑誌では街の淫風が書きたてられていたという。ベストセラーの続編である本書では、京都の知られざるそのもうひとつの顔を暴く。

 嵯峨で育った著者が物心ついたときに見かけたことがあるギ王寺の美人庵主・智照尼の数奇な人生、そのギ王寺にまつわる女性たちの物語、江戸時代に商用で入洛した男たちを接待した「牙儈」と呼ばれた女性たちの存在、後宮の女性の魅力を活用して新田義貞の心をとらえ、軍事力を利用した後醍醐天皇、若い女に裸体が透けるような装いをさせて男たちを供応する太平記に描かれた「シースルーパーティー」など。

 京都の歴史を彩る女性たちの色香にスポットを当てる。(朝日新聞出版 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手