「つばき、時跳び」梶尾真治著

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 作家の井納は、空き家となった父方の実家に移り住む。熊本市郊外にある古い屋敷は、庭に多数の「肥後椿」が植えられ「百椿庵」と命名されていた。曽祖父母が購入したこの家は、女性だけに見える幽霊が出るらしい。井納の母も以前、見たことがあるという。

 ある日、井納が昼寝から目を覚ますと仏間に着物姿の女が座っていた。話しかけると女は消えてしまう。家の中を調べた井納は、屋根裏のはりに刺さっていた不思議な金属の棒を見つける。物置の長持ちからも同じ金属の棒が出てくる。見つけた棒をはりに差し込んだ日、再び女が現れた。女は140年前にこの屋敷にすんでいたつばきだった。

 井納とつばきが双方の時代を行き来するタイムトラベル長編。(徳間書店 750円+税)

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