「地面師」梶山季之著

公開日: 更新日:

 昭和の流行作家の作品を編んだ短編集。

 経済雑誌記者の深見は、S製薬の滝沢を街中で見かけ声をかける。憔悴した滝沢の様子から、経営不振に陥ったS製薬が主力銀行に見限られ、資金難に陥っているという噂は事実のようだ。

 滝沢の話を聞いた深見の脳裏に、先日、取材で知り合った吉村の顔が浮かぶ。九州の大地主の吉村は、銀行との取引の実績がないため金を借りられず焦慮していた。一方、主力銀行に工場などを押さえられているS製薬は、別の担保があれば他銀行からの融資が期待できる。両者を結び付ければ、双方が現状を打開できるのではないかと、深見は吉村と滝沢を引き合わせるが……。

 最近も話題になった地面師をテーマにした表題作など6編を収録。 (光文社 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"