「日本プラモデル六〇年史」小林昇著
国産プラモデル60年の歴史を振り返るモノ物語。
戦後、占領軍らによって海外で発売されていたプラモデルが日本に持ち込まれるが、子供たちにはまだ高根の花だった。
昭和32(1957)年、浅草の玩具メーカー・マルサン商店専務の石田がアメリカから「原子力潜水艦ノーチラス号」のプラモデルを持ち帰り、部下の柴田に製造を打診したことから国産プラモデルの歴史は始まる。1年の試行錯誤の末に日本最初のプラモデルが売り出されたが、玩具売り場の担当者の反応は芳しくなかったという。
そんな事始めから、スロットレーシングカーや怪獣、機動戦士ガンダムなど、時代ごとに新たなブームを巻き起こしてきたプラモデルの世界を、懐かしい写真とともに詳述する。
(文藝春秋 880円+税)