「簡易生活のすすめ」山下泰平著

公開日: 更新日:

「簡易生活」とは、明治から昭和初期にブームとなった生活法。もともとは、西洋から入ってきた考え方で、徳富蘇峰ら知識人らが社会全体を改善するために提唱、その概念が庶民にも広まったという。本来の意味は「物欲に溺れずに簡素な生活を送り、思いやりを持って生きていこう」というものだったが、日本人が独自の解釈をして、別方向へと進化させたという。

 当時の新聞や小説など、さまざまな資料に散見する簡易生活に関する記述を取り上げ、先人たちがどのように簡易生活を洗練し、ツールとして利用していたかを紹介する。

 当時盛んに議論された「台所廃止論」や「玄関不要論」などに注目しながら、合理的な日々の生活や、疲れる人間関係を断ち切る方法など、明治人たちの知恵に学ぶ。

(朝日新聞出版 790円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です