「ひとの住処 1964―2020」隈研吾著
1964年、10歳だった著者は、東京五輪のために建てられた国立代々木競技場に圧倒され、建築家を志す。そして2020年の東京五輪では新国立競技場の設計を手掛けることになった。2つの五輪を補助線として、自らの建築家人生を語りながら、人間と建築の関係を考える文明論。
20世紀を要約すると、工業化の社会であり、その真の主役は建築だったと著者は言う。「家」を手に入れるために必死で働き、ローンを払い終わるまではサボることも許されず、人々はあらゆる意味で不安定を嫌い、政治も安定が最優先された。これが工業化社会=建築社会の正体だったと指摘。
以後、時代時代の建築物や建築家を論じながら、人間にとって建築とは何かを考察する。
(新潮社 740円+税)


















