「生まれたくなんかなかったのに」小島和男著│「反出生主義」から問う生まれてしまった者の生き方
「生まれたくなんかなかったのに」小島和男著
「生まれたくなかった。でも、生まれてしまった」。この気持ちは「反出生主義」と呼ばれる。新たに人を生み出すことには重大な問題が伴うという考え方だ。生まれてしまった者として、どうやって生きていくかを考える思想でもあるという。
さまざまな「生きづらさ」を感じたとき、人はまず自分を責めてしまう。しかし、親ガチャという言葉が広まったように、本人の選択とは無関係に、生まれ落ちた場所で人はふるいにかけられ、努力の入り口に立つ前から差はどうしようもなく大きい。
哲学者の著者は、「働きたくない」「親が嫌いだ」「結婚したくない」など、生きづらさを抱える人のさまざまな思いに寄り添いながら、その原因は個人ではなく「制度」にあることを説き、生まれてしまった者として生きることの意味を問いかける。 (幻冬舎 1056円)


















