「老いのみちしるべ」徳永進著│人生の最終章に寄り添う小さなホスピスの医師が見つめた日々
「老いのみちしるべ」徳永進著
鳥取で有床診療所を開いている著者の患者、97歳の矢野武彦さんは、元病院薬剤師。かつて薬局だった3階建ての家に一人で暮らしている。玄関に靴が10足以上あるが、それは8年前に亡くなった奥さんのものだ。
老人施設は好きではなく、熊本などに暮らす息子が3人いるが、人に合わせるのが苦手で一人がいいと言う。トイレが遠くて1日に3回服を濡らし、よく洗濯をする。ステーキの肉を焼きすぎて、家内は上手だったと思い出して寂しくなる。
そんな人をそっと支える町でありたいと、80歳近い医師は思う。
小さなホスピスの医師が、人びとの老いを見つめたエッセー。 (朝日新聞出版 1980円)



















