「慶喜暗殺」阿井渉介著

公開日: 更新日:

 慶応4年、元幕臣の土肥庄次郎は、今は静岡藩となった駿府の元代官所に忍び込む。蟄居(ちっきょ)中の元将軍・徳川慶喜を暗殺するためだ。戊辰戦争で九死に一生を得た庄次郎は、敵前逃亡したかつての主君がどうしても許せなかったのだ。

 しかし、邸内から現れた覆面の男に阻止される。凄腕のその男は警護を担当する伊賀者ではないようで、伊賀者が現れると男もその場から逃走する。追跡をまいて庄次郎は滞在先の駿府2丁目遊郭に逃げ込む。偶然にも、庄次郎が潜伏する遊郭のやり手婆は、かつて江戸の土肥家で下女をしていたセキだった。その夜、庄次郎は遊郭で意外な人物と再会を果たす。

 旗本から吉原の幇間(ほうかん)に転じた松廼家露八の生涯を歴史上の人物との交流とともに描く長編時代小説。

(徳間書店 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁