「民主化する中国」丹羽宇一郎著

公開日: 更新日:

 日中国交正常化50周年を迎えたが、両国に以前のような友好ムードはない。一方で、50年前は11億ドルほどだった両国の貿易額は昨年3914億ドルまで増加。いまや中国は日本の貿易相手国第1位となり、なくてはならない存在でもある。

 本書は、尖閣国有化などで両国の国民感情が最悪だった時期に駐在大使を務めた著者による中国論。

 習近平と十数回面会している著者によると、氏は口数少なく温和、弱者の気持ちを理解できる人物だという。なによりも14億人の国民のための政治を考えている数少ない指導者のひとりだと。

 そんな氏の素顔を知る著者から見て、巷で危惧される台湾への武力侵攻の可能性をはじめ、今後の日台関係の行方や日米中関係など、多視点から日中関係の今と未来を考える。

(講談社 726円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因