「この国の戦争」奥泉光、加藤陽子著

公開日: 更新日:

 300万人を超える自国民に加え、侵略した地域や交戦国を含めると2000万人もの犠牲者を出したアジア・太平洋戦争の起源を語り合った対談集。

 戦死者の半分以上が餓死や病死であるような作戦が立案され実行されたり、沖縄まで到達できないとわかっていながら戦艦大和をあえて出撃させ3000人もの犠牲者を出すなど、度を越えた非合理な行為に人々を向かわせた力とはなにか。国政上の決定や判断がなされた政治過程はもちろん、一般の人々が歴史の中で果たした役割までを注視しながら当時の文学作品から軍人勅諭や教育勅語などを読み込み、中国との戦争がなぜ起き、米英との戦争になぜ突入し、そして敗戦が明らかになったときになぜ戦争をやめることができなかったのかを徹底考察。

(河出書房新社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?