著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(64)部屋の前で麦が居眠り

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 綾瀬はピカソやゴッホやゴーガンが彼と同じ境遇で水子の郷の蟻塚のようなアトリエで画布に向かっている姿を夢想してみた。綾瀬は混乱した。西洋の人々と仏教徒の考える黄泉の世界には差異がある。道徳的、宗教的宇宙の相違は水子の存在を認めるか否かの問いでもある。

 堕胎や流産で異なる宇…

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【連載】金鳳花のフール

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