「読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし」荒木健太郎著
「読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし」荒木健太郎著
雨が降らなくても空に美しい虹色が見える。そういう現象がハロとアークである。ハロは太陽の周りに現れる虹色の光の輪で、アークは太陽から手のひら1つ分離れた位置に現れる虹色の弧状の光である。
これは氷の結晶で光が屈折したり反射したりすることから生じる現象である。ハロやアークは色の並び方に特徴があり、外側が赤色になる虹と違って、太陽に近い内側が赤色で反対側が紫になる。1848年に、現在の山形県庄内地方でハロとアークが見られたことが尾張藩士、安井重遠著「鶏肋集」に記されている。
ほかに、放射冷却などにより樹木の茂る公園で見られる「天使のはしご」など、美しい気象現象を気象学者が解説する。
(ダイヤモンド社 1980円)