「極限団地」真梨幸子著

公開日: 更新日:

「極限団地」真梨幸子著

 和佳子一家は、出演料につられ、テレビのリアリティー番組に応募。番組は昭和36年当時の団地の暮らしを家族で3カ月間体験するというものだった。選考に通った一家はヤマダ家として、団地の一室で暮らし始める。

 引っ越し早々、当時の家電の使い方が分からず、炊飯に失敗するなど次々とトラブルに見舞われる。しかし、室内に設置されたカメラを意識して誰も文句を言い出せない。何かと救いの手を差し伸べてくれたのは上階に住むもう一組の出演家族「スズキ家」の妻・梨乃だった。

 一方の梨乃は、連日現れ、食料品を持ち帰る和佳子にいら立つ。ディレクターの坂上はそんな梨乃に仕返しとして和佳子の夫を誘惑してはどうかとそそのかす。

 レトロな団地暮らしが思わぬ方向に展開するイヤミス長編。 (新潮社 825円)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較