「フィクションのなかの警察」熊木淳著

公開日: 更新日:

「フィクションのなかの警察」熊木淳著

 探偵が事件を解決する「探偵小説」との対比で考えると、「警察小説」は警察が事件を解決する小説だ。「警察」は個人ではなく、さまざまな役割を持つ人間の集団である。

 以前は警察という組織について問う作品はなかったが、警察組織の記述に初めて取り組んだのが横山秀夫である。横山以前の警察小説は「警察が舞台になるミステリー小説」でしかなかった。警察は刑事部門と公安部門があり、刑事事件を扱う刑事小説と公安事件を扱う公安小説、さらに公安と近い監察部門を扱う監察小説もある。この監察小説に目を通すことで、90年代後半に横山秀夫が生み出した警察小説の現状を知ることができる。

「警察小説」を論考した一冊。 (笠間書院 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」