「田舎の思考を知らずして、地方を語ることなかれ」花房尚作著

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「田舎の思考を知らずして、地方を語ることなかれ」花房尚作著

 過疎地域に暮らし、田舎の未来を研究する著者による問題提起の書。

 1970年以降、さまざまな方策で過疎地域の経済的な成長と発展が試みられてきた。しかし、過疎地域の人口は60年以上にわたって減少し、国土に占める過疎地域の割合は今や6割以上に広がる。首都圏の住民は、「首都圏の思考様式」を「日本の思考様式」と捉えがちで、過疎地域も首都圏と同じように成長し発展した方がよいと考える。だが、首都圏の成長論や発展論を過疎地域に持ち込んでもうまくいかない。なぜなら、過疎地域の住人は生産性や効率性という経済的な思考様式を嫌っているからだという。

 過疎地域の日常を通し、首都圏の思考様式による過疎地域対策に疑問を提示し、新たな視点で過疎地域のあり方や日本の未来について考察する。

(光文社 1100円)

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