「ファンカデリック」ヴィクショナリー編 和田侑子訳

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「ファンカデリック」ヴィクショナリー編 和田侑子訳

 1960~70年代、若者たちによる体制への挑戦や、カウンターカルチャー運動が世界中で巻き起こった。呼応するように、アメリカ西海岸を中心としたヒッピー文化から新しい美学も生まれた。

 その鮮烈でサイケデリックな表現は、人々が個性や社会変革を受け入れたことの表れであり、解放と反逆を伝える芸術表現の象徴でもあった。

 当時のグラフィックデザインやイラストレーションは、時を経た今も影響力を持ち、現代のクリエーターたちの出発点にもなっているという。

 本書は、そんな60~70年代のファンクでサイケデリックな美学のDNAを受け継いだ現代のクリエーターたちの仕事を紹介するリファレンス集。

 巻頭では、世界各地で活躍するファンカデリック・デザイナー3人の作品をインタビューとともに紹介する。

 その一人、アンドリュー・マクグラナハン氏は、ポール・マッカートニーがヘッドライナーを務めた2022年のグラストンベリーフェスティバルのポスターなどを手掛ける音楽業界専門のグラフィックアーティスト。作品の中には、横尾忠則へオマージュを捧げる静物画などもある。

 ダブリンを拠点に活動するイラストレーター兼デザイナーのギャビン・コーネル氏は、60年代の音楽ポスターのポップな色彩や波打つように歪んだタイポグラフィーが特徴。アンダーグラウンド・コミックブックのスタイルの影響も受けたというその作品は、見るものの気分を明るくしてくれる。

 後半では、食品や日用品などのブランド、イベントやキャンペーン、そしてネット上で展開するプラットフォームのイメージ戦略までファンカデリックなデザインを用いた例を多数網羅。デザイン関係者必携本だ。

(グラフィック社 4950円)

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