収録に向かう途中で事故死した37歳 佐田啓二

公開日: 更新日:

<1964年8月>

 東京五輪が開催された64年、二枚目俳優として人気だった佐田啓二が37歳の若さで亡くなった。

 8月17日早朝、佐田は信州・蓼科から東京に車で向かっていた。蓼科には新築したばかりの別荘があり、妻子が避暑のために滞在していた。佐田は13日から別荘で家族と過ごしていたが、この日はNHKのドラマ「虹の設計」の収録があり、朝5時出発で東京に向かうことになった。

 車は黒のトヨペット・クラウン。同乗者は運転手、義弟の新聞記者とその同僚。佐田は一番安全といわれる運転手の後ろの席に座るのが習慣でその日も指定席に座った。

 前夜、水洗便所の水漏れが気になってあまり眠れなかった佐田は出発するとすぐ眠り始めた。

 運転手や佐田にとってはこの年、6、7往復している通い慣れた道のりであった。車は蓼科の山道を下り、国道20号(甲州街道)を順調に進み、朝6時半には山梨県韮崎市の塩川橋手前に到達。

 ここで運転手は前方を時速40キロで走る個人タクシーを反対車線に出て追い抜きにかかった。現場は見通しは悪くないが左カーブになっており、しかも、塩川橋で道幅が狭くなるところ。

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