「DJ出身」あべ静江 3歳から中学まで子役兼歌手だった
「実は私の母が東海テレビの前身であるラジオ三重の専属歌手だったんです。ただ歌うだけじゃなく、歌ってしゃべるレギュラー番組も持ってたみたい。ちなみに、父はその同じ局の専属バンドの一員でした。そんな関係で私、子役をやる前、まだ幼稚園の頃は少女歌手をやってたこともあるんです」
子役の前は少女歌手とはビックリの連続だ。少女歌手は、母がラジオばかりでなく、少年院などに慰問に行く際、いつの間にか参加させられていたという。
それはともかく、「子役」だ。少女歌手から子役は、どういう経緯で?
「母が専属歌手を務めていたラジオ三重がその後東海ラジオになり、そこから昭和33年、東海テレビも生まれたのね。母が親しいラジオスタッフもたくさんテレビの方に移っちゃった。で、ドラマ制作で子役が必要になった時、“じゃ、阿部さんのところのしーちゃんを借りよう”ということになったみたい」
どんな作品に出演していたのか。
「佐分利信さんや殿山泰司さん、乙羽信子さんといった名優さんともご一緒しました。特にドラマタイトルもハッキリ覚えているのは、三ツ矢歌子さんが主演した『春琴抄』ね。三ツ矢さんが、それはそれは奇麗で凄く憧れたのを覚えてます。ただ、残念ながら、当時はみんな生ドラマだったから、写真は一枚も残ってないんです」