「祖谷物語―おくりひと―」蔦哲一朗監督

公開日: 更新日:

――標高1000メートル級の山々と断崖絶壁の峡谷で1年間、35ミリフィルムでの撮影を通して訴えたかったのは何ですか。

「少し大きく言うと、自然と人間の共生です。祖谷には現代人が失いつつある日本の起源、原風景があると思ったんです。シンプルだけど力強い人間の営みに瞠目(どうもく)していただきたいし、何よりも演者さんの後ろで流れる景色、デジタル映像では表せないぬくもり、風の動きまで感じられる情景を伝えられたらうれしいですね」

――映画監督として狙うのは、全国制覇ならぬ大ヒットですね。

「仲間と映画製作会社を立ち上げましたが、映画で食えているわけではありません。ルームシェアしながら、日雇いアルバイトをして食いつないでいるのが現状で、映画監督としてやっていけるかどうかもわかりません。でも、もっと技術を磨いて、勉強して、撮りたい映画を撮っていきたい。祖父も題材に? ええ、祖父を傍らで見続けてきた祖母の蔦キミ子を主体にしたいですね。祖父のいい面も悪い面も描きやすいですし、誇張や美化された姿ではなく、人間くさい祖父を描けるんじゃないかと思うのです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?