「ホットロード」「小さいおうち」…松竹がヒット作連発の事情

公開日: 更新日:

 映画界に異変である。邦画の興行成績では長らく東宝が独走して、トップの地位を築き上げてきたが、最近、松竹が猛烈に追い上げている。数字的にはまだまだ東宝には及ばないが、その健闘ぶりには特筆すべきものがある。

 松竹は今年5作品が興収10億円を突破する。公開順に「小さいおうち」(興収14億円)、「白ゆき姫殺人事件」(10億円)、「超高速!参勤交代」(15億円)、「好きっていいなよ。」(11億円)、「ホットロード」(20億円超見込み)。なかなか壮観である。

 年間を通してこれだけ多くの実写作品が10億円を超えるのは2000年以降では初めて。今後はもっと増えるかもしれない。いったい、松竹の何が変わったのか。

 第一に、いわゆる邦画のヒットの法則である人気小説や人気コミックの映画化をある程度、踏まえたことが大きい。これは東宝がこれまでやってきたことだが、松竹も迷わずこの“手法”を取り入れ始めたのである。

 松竹は山田洋次監督作品に象徴されるように監督主導の作品や、比較的古いタイプの人情劇が多かった。それが会社カラーになっていてなかなか脱却できなかった。ところが、旧来型の企画、製作手法から路線変更して、ヒットの法則に舵を切り出したのだ。これに、「超高速!参勤交代」のような異色時代劇のヒットまで加わったのが現状だ。

 松竹はこれまで山田監督作品に“依存”してきた。だが、これからは山田作品を軸にしながらも、ヒットの動向を強烈に意識して、方向性を探ることを一段と鮮明にしていくだろう。映画界の新しい風になってほしいと思っている。
(映画ジャーナリスト・大高宏雄)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  3. 3

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  4. 4

    佐々木朗希は一軍復帰1試合でまた抹消…どれだけ脆弱でもドジャースが欲しがったワケ

  5. 5

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー

  1. 6

    “令和の武器商人”こと小泉進次郎防衛相の「核ありき発言」に自民国防族もカンカン

  2. 7

    ついに1ドル=163円突入で「円安倒産」ラッシュ深刻懸念…すでに前年同期から3割増

  3. 8

    中森明菜のタモリ評「心の底からホッとします」は国民の総意か? サングラス姿と性格的な3要素

  4. 9

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 10

    震災で家族を心配する選手たちに星野監督が怒号「おまえらは野球だけしとりゃあええんじゃ!」