俳優・村田雄浩「芝居とお酒の下積みがあったから今がある」

公開日: 更新日:

 当然、酒のニオイはプンプン。時には二日酔いでグロッギー気味のこともありました。それでも当時は酒に寛容というか、おうような時代。他にも酔っぱらったまんま駆けつける役者やスタッフが大勢いましたから、大目に見てくれてたんでしょう。

 飲めない酒を、なぜ飲むようにしたか? やはり先輩や仲間との垣根を取っ払い、本音や普段話さないことを聞くためです。とくに僕は先輩から経験談や芝居のイロハを聞くのが大好き。そのために酒席に通ったようなものです。

 映画デビューは80年公開の「思えば遠くへ来たもんだ」(朝間義隆監督)ですが、映画全盛期のような製作方法は無理になり、さまざまな制約の中でみんな工夫していました。かといって、いくら予算や撮影日数が削られても、時代劇なら武士や商人、農民、それぞれの所作、作法、動作の基本は変わりません。むしろ基本をきちんと押さえなければ、NGなしでテキパキと撮影は進まない。僕たち役者も、それを求められていました。

 現場で“芸を盗む”のも一つの手。それも直接教えてもらえるならそれに越したことはない。先輩には役者もいれば、照明さんや大道具・小道具さんもいます。そんなプロから聞けるなんて最高じゃないですか。酒席はその格好の場なんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間