グラスに酒5合注がれ 4代目・旭堂南陵が受けた“入門試験”

公開日: 更新日:

 2006年に上方講談の名跡「旭堂南陵」を継いで4代目を襲名。その後、12年には文化庁芸術祭賞大賞を受賞した実力派の旭堂南陵師匠(66)。酒量は酒豪で知られた3代目譲り。酒好きは還暦を過ぎても上方講談界屈指だ。

  ◇  ◇  ◇

「おまえをテストする」

 こう言うて、師匠の3代目南陵が突き出したのは、三ツ矢サイダーのマークが入ったグラスですわ。そこに一升瓶から直接、日本酒をトコトコトコとつぎまして、「さあ、飲んでみろ」。

 大阪万博の2年前、68年4月。近畿大学に入学して間もない頃ですから、まだ18歳。大学のそばにあった師匠の自宅へお昼すぎにお邪魔して、弟子入りを志願したときのことです。

 3代目はむちゃくちゃ酒飲みでね。酒が飲めへん弟子取ってもつまらん、こう思うたんでしょうな。

 僕は実家の母方こそ、叔父さんが身上潰すほどの大酒飲みやったけど、父は全然、飲めへんかったから、酒を飲むのは初めてでね。かといって、入門テストを断るわけにはいかへん。飲みましたよ。グラスでなみなみ5杯。5合ですわ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"