黒田福美が語る伊丹十三監督 伝説の“生卵口移し”秘話も

公開日: 更新日:

■2作目の監督作「タンポポ」に「出るかい?」

 当時27歳。約5年女優を続けていましたが、端役ばかりで食べるのが精いっぱい。先が見えず、引退して別の道を歩んだ方がいいのかと悩んでいた時期でした。そして、収録が進み、明日の撮影で私の出番が終わるという日に、初めてお会いした時に感じたままを手紙にしたため、意を決して伊丹さんの楽屋に届けたのです。次の仕事に結び付けようとか、コネづくりのためではなく純粋に「感激したことを伝えたい」という一心で。

 というのも、伊丹さんとは役者としては、天と地ほどの格の違いがありましたから話しかけるなんてもっての外。かといって何も伝えないまま現場を離れたら一方通行の共演になってしまう。「それでいいのか」と思ったんですね。

 楽屋のドアを叩くと伊丹さんがおられて緊張のあまり、挨拶もそこそこに上がり框に手紙を置いて逃げるように自分の控室に戻りました。すると翌日、「(手紙を)見たよ。今度、映画撮るんだけど、君も出るかい?」と声をかけてくださったのです。下心があったわけではなかっただけに、思わぬ展開にビックリしました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    森保監督がブライトン三笘薫を代表招集外にしたウラ側…10日パラグアイ戦、14日ブラジル戦へ

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  2. 7

    フリーの風間俊介&生田斗真は大活躍も…旧ジャニ「ドラマ班」次世代は“自称”止まりの寂しい現状

  3. 8

    テレビはグルメ、熊、線状降水帯ばかり…もっと大事なことを放送したくないための隠れ蓑か

  4. 9

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  5. 10

    次の自民党総裁選が誰でも菅義偉が“陰の主役”…絶対王者の力の源泉は何なのか?