著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

子供向け番組で怪演 香川照之「昆虫すごいぜ!」の衝撃度

公開日: 更新日:

 この夏随一の“珍種”が出現した。不定期放送(!)のEテレ「香川照之の昆虫すごいぜ!」だ。

 子供向け番組だが、想像を超えたインパクトがある。香川がカマキリの着ぐるみ(その監修も香川)を着用して「カマキリ先生」となり、原っぱや河川敷で昆虫採集にまい進するのだ。

 前回の「モンシロチョウ」編でも、そのテンションはMAXだった。まるで座頭市の仕込み杖のような速さで捕虫網を切り返し、次々とチョウを捕獲していく香川。同時に「モンシロチョウは春を呼ぶ1番バッター。昆虫界のイチローだあ!」と絶叫解説も忘れない。

 またモンシロチョウを指でそっと押さえながら、「この動き、伝わるチカラがたまらない」と子供のように感動していた。香川、いいヤツじゃん。

 そして12日放送の最新作のテーマは「タガメ」だ。昆虫少年のころ以来、なんと40年ぶりの遭遇だった。きれいな水にしか生息しないにもかかわらず、小魚やカエルを食べる、どう猛なタガメ。香川はタガメを殺人犯に、自らをタガメ捜査一課長に見立て、全国の子供たちの助けを借りた大追跡を敢行する。目撃情報が届いたのは栃木県からだ。結局、4時間をかけて全長7センチの大物を「現行犯逮捕」。

 最後は疲労で声もかれ、腰が痛いと正直に告白する51歳の名優がいた。いいヤツな上に、香川すごいぜ! 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方