著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

テレビの「自由さ」と「覚悟」を測る 江頭2:50の存在価値

公開日: 更新日:

 そんな「江頭は実はいい人」という話は、ネット上には枚挙にいとまがない。そのウワサの数々をことごとく江頭本人が自身のネット番組「江頭2:50のピーピーピーするぞ!」(MOPAL)の中で「全部ウソ」ときっぱりと否定した。

 それでもなお、彼の名言やいい話が創作も含め広がっていき、信じられていく。それは、たまにしか見られないテレビでの暴走した姿からだけでも伝わってくる、彼の誠実さや生真面目さによるものだろう。そう思わせる説得力があるのだ。

 江頭はインタビューで、「こんなこと言っちゃダメなんですけど」と前置きしつつ、「正直な話、いっぱい仕事が来たとしても選ばせてもらって」いると明かしている。なぜなら「キンタマ据わってる人としかやりたくない」からだ。彼が「むちゃ」をして笑いを取っても、それが使われなければ「俺の存在価値はなくなる」と(以上=太田出版「hon―nin vol.05」2007年12月8日発売)。

 江頭2:50は、テレビの「自由さ」と「覚悟」の象徴だ。もし、このまま江頭が「テレビ出ない人」になってしまうとしたら、テレビから「自由さ」と「覚悟」が失われているということを意味するのではないか。

「今日は水槽の中で死にます!」

 冒頭の番組でそう宣言し、水槽の中で長時間ダンスを完遂した。江頭はまたひとつ、“伝説”をつくった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲