井上トシユキ
著者のコラム一覧
井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

炎上女優はトランプ支持者 “政敵をいじった”程度の認識か

公開日: 更新日:

 だとすれば、世の中の風向きを読み違えていたということになろう。

 だが一筋縄でいかないのは、バーは女優としてだけでなく制作者の一人として、中絶やLGBTなどのマイノリティー問題、アメリカの健康保険問題などをたくみにコメディードラマ「ロザンヌ」のなかに取り込み、視聴者にその深刻さや重要性を訴えかけていたことだ。わが国でも、腎臓病患者の人工透析や過労による自殺者をSNSで批判する向きがあったが、そうした薄っぺらい自説の開陳とは一線を画す、自身の政治的野心に見合うだけの議題の提出を行っていたのである。

 バーといいH&Mといい、制作にも携わるベテラン女優や広告のプロが、酒場で酔客がやるようなやぼな人種ヘイトの表現をしたことで、どうにもすっきりしない炎上をしてしまった。逆張りをし、時にわざと弱者や無関係な相手を敵に回すことで場をコントロールしようとする炎上商法は、やはり非常に難度の高い方法論であると言わざるを得ない。見識もなく、うかつに手を出すと痛い目に遭う。

 一方で、目についた相手をくさして留飲を下げるタイプの炎上が、また目につくようになった。これとて、わざと目について注目させる炎上商法のきらいがないわけではない。いくつかの例を見てみよう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗