悩む日々が楽に…桑野信義を救った志村けんの笑顔と一言

公開日: 更新日:

 ところが、88年7月に家老役の東八郎さんが亡くなられて、代役として想定外の大抜擢。でも、ハードルが高すぎた。東さんといえば昭和コント界の大御所。その後釜なんて、そう簡単に引き継げるわけがない。しばらく東さんや他のコメディアンの真似ばかりしてました。

 それで、このままじゃ尻すぼみになるんじゃないか、これから食っていけるのかって内心は不安だらけ。相談できる相手もいなくて、どこの現場でもとにかく必死でやるしかなかった。かなり追い詰められてたんです。

 本多劇場の時も、幕あいとか休憩時間に楽屋で額の汗をティッシュでパパッと拭くでしょ。そしたら、ティッシュの残骸を顔にはり付けたまま舞台に戻ったり、終始、ワサワサして落ち着くどころじゃない。それは志村さんもわかってたと思いますよ。

 そんなタイミングだったから、余計にホッとしました。納得できないまでも、それ以前より自然に笑いを取れるようになりましたから。あの一言があるから今がある。そう言っても過言じゃないですね。


【ライブ】

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」