桑田真澄さんの“ド正論パンチ”は引退するまでボクの脳裏にこびりついていた
元巨人の橋本清氏(評論家)による「僕だけが書けるスター選手の真実」(第9回=2004年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。
当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。
今回はあの桑田真澄氏について綴られた、元巨人の橋本清氏(評論家)による「僕だけが書けるスター選手の真実」(第9回=2004年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。
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「やっぱり、しっかり練習しとかんとな」
リリーフに失敗し、ロッカールームで泣いていたボクに桑田さんは厳しい口調で言った。
93年、この年のボクはリリーフとして、チーム最多の52試合に登板。長嶋監督が命名した「勝利の方程式」の一翼を担った。防御率は1.83。巨人入団6年目、初めてチームに貢献できたという自負があった。
シーズン終盤、8月の中日戦。七回からマウンドに上がったボクは、同級生の立浪に勝ち越しの3ランを浴び、チームの勝利をフイにした。失意のボクに桑田さんの言葉がグサリと突き刺さった。まるで、「打たれて泣くくらいなら、ちゃんと投げろ」と言わんばかりに、厳しい表情を変えなかった。


















